活字中毒な日記、また現在進行中の小説(二次創作)を一部公開。
浅倉卓弥『四日間の奇跡』
今日は前回の「このケータイはXXで」に次いで、「このミス大賞」シリーズ第二弾です。

四日間の奇蹟 四日間の奇蹟
浅倉 卓弥 (2004/01)
宝島社
この商品の詳細を見る


ある事件が切っ掛けで指を失ったピアニスト、如月敬輔。そして脳に障害を持つ少女、楠本千織。千織は自分が聞いたピアノ曲を、自らの演奏で寸分違わず再現するという特殊な才能を持っていた。二人はボランティアで、国内の様々な施設でピアノの演奏会を行っていた。
あるとき二人が訪れた脳障害者のリハビリ施設で、千織が事故に巻き込まれ……。

この本は2005年に「恋愛ファンタジー」と銘打って映画化されています。映画は見ていないのですが、小説だけ読むと恋愛ものというより哲学的/宗教的な意味合いを持つ純文学といった感じかな。だってこの本のテーマは「恋愛」では無く「死」でしょう。また私には敬輔と真理子の間に流れていたのは、恋愛というより友情に近いものに映りましたし……。

ストーリーは良く出来ていると思います。最後の50Pは各所のレビューで言われている通り、存分に泣かせて頂きました。悔しいけど、いい話だ〜。そしてラストの敬輔の「月光」の場面、描写がものすごいなぁ。花村萬月の『ブルース』に通じるものがある。正に文芸、素直に感心。また終わり方も希望があってとても良い。千織が元気(?)になって良かった!

ただ少しだけ言わせて貰えば、本格的な物語が始まるまでが長過ぎでは?
かといって、それまでが退屈という訳でもなく、初めは「ああ、これはこういう話なのか」と思って読んでいましたが。

でも、だからかな? 『奇跡』が起こってから少しの間は読んでて違和感を感じました。何か急に違うお話が始まっちゃったよーな……ちぐはぐ感? 私的にはもう少し前半部分をサラリと流して、後半の真理子の心情の変化をもっとゆっくりと書いて欲しかった。

またこの作品が東野圭吾のとある作品と被ってるというのは有名な話ですが、確かにネタは一緒ですね。でもテーマやシチュエーションが違うから、私自身はさほど気になりませんでした。



さて! 次は東山彰良『逃亡作法 TURD ON THE RUN』に取りかかりたいと思っています。実はかなり楽しみだったり。以前、書店で新刊本を見かけてからずっと読みたい作者だったので。

設定が私好みなのよね〜。何たって帯の文句が『完璧なシステムの刑務所VS悪党ども』ですから! また私は本編を読む前に「文末の解説」を先に読むという嫌な癖があるのですが、その解説を読んだだけで、もうワクワクしちゃってます!(結局、そーゆーのが好きなんだよね)

アクセス解析