活字中毒な日記、また現在進行中の小説(二次創作)を一部公開。
東山彰良『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』
今日は久々に感想文。東山さんシリーズ5回目。最新作の『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』です。

イッツ・オンリー・ロックンロール イッツ・オンリー・ロックンロール
東山 彰良 (2007/07)
光文社
この商品の詳細を見る



実力はあるが運がない。そんな売れないロックバンド『RAW MINDS』。メンバーはギタリストの青木満。ドラマーの典男。そして刑務所帰りのベーシストべっさん。
3人はべっさんが出所したのを機に活動再開と意気込むものの、契約しているインディーズレーベルにも見放され、先の見通しがまったく立たない状態。
そんな折、巷を騒がせている連続保健所爆破犯人の持ち物から『RAW MINDS』のCDが発見され、マスコミは突如『RAW MINDS』に注目を浴びせる。満はこれがチャンスとばかりに『RAW MINDS』を売り込もうとするが?


今回はいつものクライムノベルとは違って、下積みの長過ぎたあるロックバンドの栄枯盛衰のお話。というか、そのメンバー青木満の人生って感じかな。
派手なアクションやどきどきのサスペンスは無いものの、手に汗握る青春小説とでもいいましょうか、これまでの作品と同様に疾走感は健在。読み出したら止まらなくなりました。

いい話でした。彼等のように夢を追えず、それを諦めた経験がある人間には非常に切ないけれど……。それに、まだまだ物欲旺盛な私には、最後の満の悟りの境地を実感するのも難しいけどね(笑)
作中で印象に残った言葉は「愛着は愛ではない事を、おれは知っている」「本当の人生は夢を捨て、妥協を覚えたところから始まる」かな。リアルに身に沁みる言葉ですね。これを実感した事があるかないかが、大人と子供の境界線なのでは?

あとは多少ネタばれだけど、最後までべっさんが死なずにいたのも嬉しい。病死というエピソードで安いお涙頂戴にしない所が東山さんらしい。
それと巻末の『ME AND THE DEVIL BLUES』がめっちゃ気になりました。あれはナニ? 後書きのようなもの? それともミチルのその後なの??

最後になりますが、これはクライムノベルや露悪傾向の強い作品だと敬遠してしまう方にもお勧め! 是非、東山さんワールドに浸ってみて下さい。ちょっと音楽的にマニアックだけど、それが分からなくても雰囲気とストーリーだけで、十分楽しめます。

さて、次はやっと手に入った3作目『ラム&コーク』に取りかかります。これはまた楽しそうなクライムノベルですよ! 今からわくわくです。本の装丁もかっこいいの♪


アクセス解析