活字中毒な日記、また現在進行中の小説(二次創作)を一部公開。
ジェイムズ・カルロス・ブレイク『荒ぶる血』

荒ぶる血 (文春文庫) 荒ぶる血 (文春文庫)
ジェイムズ・カルロス ブレイク (2006/04)
文藝春秋
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メキシコ革命で肉食獣(エル・カルニセロ)と呼ばれるほどに名を馳せたロドルフォ・フィエロ──その血を密かに継ぐ男、ジミー。彼は仲間のLQとブランドと共に、ガルヴェストンを仕切る大物ギャング、マセオ兄弟の殺し屋として働いていた。そしてある日ジミーが出会った一人の女が『因縁の出会い』へと導く……。

ジェイムズ・カルロス・ブレイクの二作目(実際は七作目にあたる)。個人的には前作の『無頼の掟』の方がお気に入りですが、こちらもこちらで前作とはまた違った意味で壮絶です。

この作品にはやりきれない3つの愛が出てきます。まずジミー出生の理由となったアバとフィエロの愛(いや、これはアバの一方通行か?)、そのジミーとダニエラの運命的な出会い、そしてドン・セサールのダニエラへの哀しい愛。そうか、これは恋愛ものか!?(違う/汗)

全編に置いて読み出したら止まらない面白さはありますが、読み所はやはり中盤、ジミーが生まれ育った牧場を去らなければならなくなった辺りの下りでしょうか。
それまで真実を告げることなく育ててきた愛息子に『荒野に向かえ』というアバにはゾクッとしました。彼女こそジミーの受け継ぐ血を強く愛し、そして信じていた女性なんでしょう。こんな風に息子を愛したいよね。

またダニエラを誘った時のジミーがたまらなく可愛いかったりで、読みどころも多し。泣く子も黙る殺し屋も、一目惚れの天使には腑抜けになるというお馴染みの設定が大好きです。勿論その天使もきっちり厄介な事情を抱えてるんですが。

後は情景描写に唸らされたり、また食べ物の描写が異様に上手く食欲をそそられたり、LQ、ブランド、ジミーの3人のやり取りが好きだったり(仲の良い悪党仲間って萌えるでしょ!/笑)
もちろんアクションシーンもかっこ良く、ジミー登場の初っ端の殺しの場面や、ジミーとローズとの出会いのシーンも最高!!

ラストは前作とはまた違った溜め息が出ますね。何と言うか前作とは真逆な感じ。それでもやはり乾いた風が残るような、余韻のある終わり方です。
うん。この人のは次も出たら必ず読むな。というか、いつでるか分からない翻訳を待つより、原著を買って読もうか本気で悩んでます。

それでは毎度恒例(?)最後にお気に入りの箇所を。

──ある日いたかと思うと、次の日にはいなくなっていたと答えた。男はみんなそうだ。おれたちだってそうだろう。

うーん、カッコイイ!! アウトローとして生きる男の運命を何とも淡々と、そしてズバリと言い当てているじゃありませんか。



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