活字中毒な日記、また現在進行中の小説(二次創作)を一部公開。
佐藤亜紀『雲雀』

雲雀 雲雀
佐藤 亜紀 (2007/05)
文藝春秋
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これは前回紹介した『天使』の続編です。前作『天使』がおよそ300ページの長編だったのに対して、今回の作品は4つの短編から構成されています。また『天使』で「感覚」に馴染んでいた分、今回はなんの苦労もなく世界に入り込めました。

この本はあれだね。『天使』を読んだ読者へのご褒美みたいな本だよ。もちろん、この本だけで読んでも理解出来ない事はないと思うけど、絶対『天使』を先に読んだ方がいい。

そう。そーなんですよ、megさん。日記を拝見したところmegさんもこの本をお買いになられたようですが、以上の理由を持ちまして『天使』を先に読まれた方が確実に良いと思われます〜っ!!

と、いきなり私信を挟んだ所で、感想へ……。

最高。『天使』ではハッキリと語られず仄めかし程度の事実が明らかになったり、ジェルジュのやり手な仕事ぶりも見れたりと、もう満腹の大満足。

4作品中「花嫁」と最後の一遍「雲雀」は、ちょうどこの2編が『天使』の前後に置かれるべき話にあたるからか、長編の雰囲気を色濃く残しています。でも残りの2編は番外編的な雰囲気のある軽快なストーリーになっています。

今回はすんなりと物語に入れたせいか、佐藤亜紀さんの小説のエンターティナーな部分を存分に堪能出来ました。個人的には「花嫁」がお気に入りです。元々ジェルジュのお父さん好きだったし、熱く切ない私好みのラブストーリーでした。


最後に気に入った箇所のご紹介を。背徳の中、しかし真実の愛を持ち寄って抱き合うジェルジュと「彼女」の1シーンより。

恐ろしいくらいに幸福だった。体を動かしたら二度と同じようには抱き合えない気がした。致命的な傷を負ったようにも思えた。傷に傷を重ね、血に血を混ぜ合わせ、喘ぎながら死に至るのを待っているようでもあった──最終章「雲雀」より。

個人的には最後にジェルジュが選んだ「彼女」にはあまり魅力を感じなかった。何故、ジェルジュがこれほど彼女に惹かれるのか理解出来ません。でも、これはいい描写だなぁと思いました。

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