![]() | 強盗こそ、われらが宿命 上 (1) (ヴィレッジブックス F ホ 7-1) チャック・ホーガン (2007/09) ヴィレッジブックス この商品の詳細を見る |
ボストン屈指の犯罪都市チャールズタウン、強盗の住処。そこで生まれ育ったダグは盗みを生業とする生来のアウトローであったが、クレア──彼女はダグが襲った銀行の支店長であった──と出会った事により、そんな自分の人生を心から変えたいと願うようになる。しかしダグの強盗仲間の一人であり、それこそ兄弟のように育った幼馴染のジェムには、それは彼の裏切りにしか思えず……。
弾を込めた銃を見てもぞくぞくしなくなってから、長いこと経つ──『強盗こそ、われらが宿命』の一節より。
うーん、渋い、渋いなぁ。これはヤバいですよ、ストーリーもキャラもめちゃくちゃ良いです。悪党と市井の女の道ならぬ恋。仲間との友情。報われない愛への確執、そして裏切り──定番だけど、萌えるシチュエーション。何たって原題が『PRINCE OF THIEVES(盗賊の王子)』ですから。かなり心動かされる物がありますでしょ? 私好みです(笑)
メインテーマとなるダグとクレアの愛は勿論、FBI捜査官フローリーとの対決。ダグとジェム、ダグとデズのそれぞれの友情の形。いや、ダグとジェムに関しては友情というより、憎んでいても縁を切れない肉親同士の関係か。そして初っ端の銀行強盗シーンから、最後の大仕事まで、都合3回も見せてくれる彼らの仕事ぶりに大興奮。
またジェムが妹クリスタの娘のために、自分の家の模型を作る姿が哀しい。その何気ない一行、一文にグッと来る。感情が込みあがってくる。なぜ自分はこういった犯罪小説が好きなのか、その理由を思い知らされる。ジェムもダグも、切ない。人生が、正にその命の燃やし方が、悲しく遣る瀬無い。
ラスト、凄まじいです。ジェムがカッコいいです。賛美両論あれど、あれぞ悪党の最後では。そして全てが決着し終息した後で、再び初めのシーンに回帰する。仕事の前の楽しげな4人──ダグも認めていた、一番楽しい時間。その演出に泣かされました。
最後にこの作品は2005年にハメット賞を受賞し、現在はワーナー・ブラザーズで映画化が進行中、2008年に公開予定となっています。上下巻合わせて700ページを超える大作ですが、何の苦もなく一息に読めてしまいます。これは良いです、買いです。声を大にしてお薦めします!



