活字中毒な日記、また現在進行中の小説(二次創作)を一部公開。
ケルアック『オン・ザ・ロード』

オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)
ジャック・ケルアック (2007/11/09)
河出書房新社
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退屈な「知識人」に囲まれたぼく──作家を生業とする主人公、サル・パラダイスの元に、狂気をたずさえた男がやってきた。その名前はディーン・モリアーティ。サルは彼の奔放な魂に惹かれ、いつしか二人でアメリカ中のロードに立つことになった。

これは非日常から戻れなくなってしまった者の話です。ハッキリいって今の私の立場から見れば、両手を叩いて彼等のような人間を身近にむかえる事は出来ない。それでも彼等のような生き方には憧れるし、ディーンのような「狂気」が欲しいとさえ思います。

でも彼等のような人間は、私のように心を解き放てない人間にこそ必要なのかもしれない。その自由と奔放さに羨望し気持ちを洗われ、しかし同時に道化を見る哀れみの目をもって、せめてもの自己正当化を計れるのだから。

といっても、実際この本を読んでいて最初に思い出したのは、大学で山を始めて、5月の後立山連峰で生まれて初めて白銀の峰々に足を踏み入れた時の感動。あの時はこんなにも圧倒的な存在感を持つものが、この世にあったのかと、ただただ驚くしかなった。

またそれと似たような気持ちを、同じ大学時代、アメリカに留学した時にも感じた。ネバダ周辺の国立公園と、せいぜいカリフォルニアまでの短いドライブだったけど、それだけでもアメリカの広大さは嫌と言うほど感じた。やっぱ「大陸」って凄い。

この世界は何だかんだ言っても、とてつもなく広い。その認識は、本の知識や話だけじゃ理解出来ないレベルにある……絶対に。そういう意味では、やはり旅はいいと思う。

最後に。だれしも自分は世界の一部を成す特別な存在だと思っていて、そのうちにそんなものは幻想で、自分の存在など生命の営みの偶然の産物程度にすぎないと気付くときがある。そんな自分の魂との戦いが始まる時に、この本を読むといいかもしれない。

世界は広いんだ。自分はいつでも自由になれるんだ。必要な時には、何者にでもなれるんだという自信が持てるかもしれない。そういった気持ちは私にとって、今のところかなり武器になっている……と思う。

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