2日続けて趣味の本の話で申し訳ないですが、ちょっとあまりにも良い本を読んだので紹介したい。以下、読了後の突っ走ったままの感想になりますが、お付き合い頂ける方はドウゾ。
『ブルース』花村萬月(角川/文庫)
あらすじは音楽に挫折し、自らをブルースの立場に貶める事によって、何とか自我を保つ男村上。そして天賦の才に恵まれたブルースシンガーの綾。そんな二人と村上に惚れている同性愛者のヤクザ徳山。3人の哀切漂う、とにかく遣る瀬無いストーリー。
もう最高。こういう本を読むと、つくづく本読みで良かったなあと思える。私ははっきり行ってブルースは全く分からなかった。それでもブルースの何たるかを教えてくれた。内容は凄絶でエロティック。でも全体を通して感じるのは「哀切」、その一言に尽きる。
本を読みたいと思わせるのは、そこにど派手なアクションシーンや、用意されたようなハッピーエンドがあるからじゃない。自分が分からない世界、想像も出来ない人生が描かれているから。そしてやっぱり胸を抉るような「哀切」を感じたいから。つまりブルースを求めてるから、ナンチャッテ。
ちなみに私の生まれは話の舞台になった横浜で、作品中の地名や地理も良く分かり、余計に面白さを感じさせました。その後、中学の時に逗子に引っ越し、遊び場が横須賀に移りましたが、そこも米軍ベースがあることから異文化情緒溢れた街でした。横浜とか横須賀とか、何となく文化のゴッチャになった雑然とした町が私は好きです。キレイに整備された郊外のニュータウンより面白いです。何か飽きが来ないんだよね。
話は戻り、花村さんは元から好きでかなり読んできたけど、『ゲルマニウムの月』以降の最近のものが多かった。それらは文学的にかなり完成されて来ているような気がするけど『ブルース』を読んじゃうと、これが一番キックがあるなあと。
(ちなみにこのキックは蹴りじゃなくて、きっついアルコールを飲んだ後に胸にカッとくるキックバックの事です)
花村さん自身が後書きでいっていたように、視点はバラバラで、所々「え、これって誰の心情だ?」なんて考える事もあったけど、それでもそんなもんどうでもいいのよ。解説で北方謙三が『たまらんぜ萬月、何が悲しくてこんな話を書く』とおっしゃってますが、本当に「たまらんぜ、花村さん!」ですよ。
本書を読んでブルースを聴いてみたくなったけど、反面、私なんかの甘々の甘ちゃんが聞いて良い音楽なのかと怖れ多い気もする。音楽に、そんな畏怖を抱かせるほどの話です。
これはもう本当に読まずに死ねないわいな。いや、3度読まずには死ねない。これが俺の一番の恋愛小説だと、本書を貸してくれたHIRO君に大感謝。最高!!
『ブルース』花村萬月(角川/文庫)
![]() | ブルース 花村 萬月 (1998/09) 角川書店 この商品の詳細を見る |
あらすじは音楽に挫折し、自らをブルースの立場に貶める事によって、何とか自我を保つ男村上。そして天賦の才に恵まれたブルースシンガーの綾。そんな二人と村上に惚れている同性愛者のヤクザ徳山。3人の哀切漂う、とにかく遣る瀬無いストーリー。
もう最高。こういう本を読むと、つくづく本読みで良かったなあと思える。私ははっきり行ってブルースは全く分からなかった。それでもブルースの何たるかを教えてくれた。内容は凄絶でエロティック。でも全体を通して感じるのは「哀切」、その一言に尽きる。
本を読みたいと思わせるのは、そこにど派手なアクションシーンや、用意されたようなハッピーエンドがあるからじゃない。自分が分からない世界、想像も出来ない人生が描かれているから。そしてやっぱり胸を抉るような「哀切」を感じたいから。つまりブルースを求めてるから、ナンチャッテ。
ちなみに私の生まれは話の舞台になった横浜で、作品中の地名や地理も良く分かり、余計に面白さを感じさせました。その後、中学の時に逗子に引っ越し、遊び場が横須賀に移りましたが、そこも米軍ベースがあることから異文化情緒溢れた街でした。横浜とか横須賀とか、何となく文化のゴッチャになった雑然とした町が私は好きです。キレイに整備された郊外のニュータウンより面白いです。何か飽きが来ないんだよね。
話は戻り、花村さんは元から好きでかなり読んできたけど、『ゲルマニウムの月』以降の最近のものが多かった。それらは文学的にかなり完成されて来ているような気がするけど『ブルース』を読んじゃうと、これが一番キックがあるなあと。
(ちなみにこのキックは蹴りじゃなくて、きっついアルコールを飲んだ後に胸にカッとくるキックバックの事です)
花村さん自身が後書きでいっていたように、視点はバラバラで、所々「え、これって誰の心情だ?」なんて考える事もあったけど、それでもそんなもんどうでもいいのよ。解説で北方謙三が『たまらんぜ萬月、何が悲しくてこんな話を書く』とおっしゃってますが、本当に「たまらんぜ、花村さん!」ですよ。
本書を読んでブルースを聴いてみたくなったけど、反面、私なんかの甘々の甘ちゃんが聞いて良い音楽なのかと怖れ多い気もする。音楽に、そんな畏怖を抱かせるほどの話です。
これはもう本当に読まずに死ねないわいな。いや、3度読まずには死ねない。これが俺の一番の恋愛小説だと、本書を貸してくれたHIRO君に大感謝。最高!!



